島田恒
大学卒業後、クラレに入社、繊維・化学品事業において営業部長、事業企画部長等を歴任し、1990年に同社を退社した。20数年にわたる会社経験は心に残る楽しい経験で、今も当時の仲間や先輩と交流を続けている。皆さまの理解と協力をいただいて企業における研修事業を東西でスタート、NPOの顧問や講演の機会もいただいた。会社人間であった時代、日本的経営に関する著書を上梓しており、大学での授業機会も与えられた。龍谷大学経営学部・大阪商業大学総合経営学部等教授を経て、現在は関西学院大学寄付講座客員講師を務めている。
現在の関心は、社会はいかにあるべきか・人間はいかにあるべきか、という価値観を基盤として、理論的・実践的課題にチャレンジすることにある。具体的には、非営利組織と企業倫理の研究・教育、そしてその実践支援活動である。
わが国社会は、戦後経済の復興と発展に成功し大きな恩恵を受けてきたが、反面、「あまりにも経済」に傾き、さまざまな副作用を生じさせている。それらの克服を実現し、個人の主体的生き方を確立、それに基づく市民社会を実現して新しい社会モデルを構築することが喫緊の課題であると考える。企業における日本的経営モデルや、経済先進国にして軍事力行使を制限している平和憲法など、わが国ならではのユニークなあり方を進化させることによって、グローバル社会におけるモデルとなる貢献が期待できるはずである。
60歳になってからの学位取得など、「出遅れ」の研究者を自覚して、実務経験を十分に活かしつつ、「人生お一人さま一回限り」を肝に銘じて前向きに歩み続けたいと願っている。